QSE

原子核システム安全工学講座
核エネルギーフロー環境工学分野 (新堀・千田・関 研究室)

今、そこにある「高・低レベル放射性廃棄物」の問題。
安心・安全・安定的な処分システムの構築――未来へとつなげる研究を。

  • 核エネルギーフロー環境工学分野
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放射性廃棄物と人間社会を隔てる「バリア」を考える。

 科学技術は、社会や暮らしの中で大きな利益や成果をもたらしてくれますが、一方でデメリットや解決しなければならない課題も生み出します。その中の一つが、原子力発電所や原子燃料サイクル施設等から発生する放射性廃棄物です。

 放射性物質を含んだ廃棄物は、高レベル放射性廃棄物と低レベル放射性廃棄物とに分けられ、前者は、安定な形態に固化(ガラス固化)して50年程度の貯蔵を行った後、地下300メートルよりも深い地層中に処分(地層処分)されることが計画されています。また、後者の低レベル放射性廃棄物は、放射能レベルや物性により三段階に区分され、レベルが低いものから「浅地中トレンチ処分」「浅地中ピット処分」「余裕深度処分」されます。いずれもコンクリート等を用いて、閉じ込めたりしたのち、地中に埋設することによって、安全性を担保する方法です。このように放射性廃棄物と人間の生活環境とを隔離する機能を持つものを「バリア」といいます。バリアには、土壌や地層といった天然のものと、固化物質や容器、構築物や充てん材といった工学由来のものがあります。

 新堀研究室では、地下の移動現象(物質や熱)および化学的な相互作用(反応速度と平衡)への理解を基に、それらが地中構造物に与える影響を考慮し、放射性廃棄物の安全かつ合理的な処理・処分方法の構築と、超長期にわたる処分システムの性能を評価する研究に取り組んでいます。中でもセメント系材料と核種の相互作用を利用した安定的なバリア材の研究・開発など、周辺技術・知見を積極的に取り入れながら、新しい視点からアプローチしています。

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