先輩からのメッセージ
量子サイエンスコース、量子エネルギー工学専攻で学び研究する者にとって、東京電力福島第一原子力発電所の事故は大きく重い意味を持つ出来事でした。使命感と言うと少し大げさですが、研究に向き合う姿勢やモチベーションが高まったという学生が多いように思います。
私は、卒業論文で福島第一原発の溶融炉心物質(デブリ)に関する数値解析に取り組みました。こうした研究テーマは、主テーマとして標榜していませんが、私の出身地が福島であることを考慮していただき、取り上げることができました。研究を進めるにあたっては、月に一回程度、先生と進捗状況についてディスカッションする以外は、本人の自主・自律性に任されています。厳しく管理されることはないですが、意欲が成果を左右しますし、やるべきことをクリアしていかないと後で泣きをみることになります(笑)。
原子力エネルギーの利用については、これから様々な議論が重ねられていくことと思いますが、研究に携わる一員として、その有益性には一目置くものがあると感じています。卒業後も原子力に関連する研究機関や企業で、持てる知識や技術を生かしていきたいと思っています。
研究の合間にほっとひと息つけるスペース、通称「お茶部屋」。壁一面のマンガ本は、先輩から後輩へと受け継がれてきたものです。